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齢五十歳

平成23年1月1日記

博報堂生活総合研究所が昨年の十月に行った調査によると、15〜69歳の男女1756人に聞いた日本のイメージ年齢の平均は51・7歳だったそうだ。したがって、今の日本は昭和34年(1959)生まれということになるのだが、その年はどういう年だったのか?

昭和30年代といえば、戦後の混乱期を乗り越えた日本が高度経済成長期に突入した時期で、昭和34年には戦後はじめて10%代の経済成長率を記録している。

50代は「天命を知る」べき年齢なのだ。老後の心配をしたり、悲観したりするのではなく、何のために生まれてきたのか、使命はいかなるものか、を悟り、実践する年代なのだ。

孔子は述べている。

子曰はく、「吾十有五にして学に志し、三十にして立つ。四十にして惑はず、五十にして天命を知る。六十にして耳順ひ、七十にして心の欲する所に従ひて矩を踰えず。」と。(「為政」(『論語』))

釈尊は示している。

学ぶことの少ない人は、牛のように老いる。かれの肉は増えるが、かれの智慧は増えない。(中村元訳『法句経』152)

経済ばかりに目を向けてきた日本は、肉は増えた(経済規模は大きくなった)が、智慧は増えていないのだ、と言えるのかもしれない。いやむしろ、日本人は自国の現状を把握することに失敗し続けてきただけのことなのではないか。智慧が増えなかったのではなく、智慧が増えていることに気づいてこなかっただけなのではないか。

日本は大国で、技術も資産もトップクラスだ。そんな日本の役割は何なのか?私の生き方はどうあるべきか?よくよく考えねばならない。

本年もよろしくお願いいたします。益々のご清祥を祈念いたします。

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